【現代医学では】 |
腰痛症には、ぎっくり腰などの急性腰痛や常に不快を感じる慢性腰痛があります。現在の整形外科による治療では、レントゲンやMRI(核磁気共鳴断層画像)などによる検査で異常が確認されなかった場合、これと言った特別な治療は無いように思われます。
例えば急性腰痛に対しては、症状の激しい患者さんに対し、局所性麻酔薬や抗炎症剤の注射、軽度の患者さんに対し、鎮痛剤の処方、温熱、或いは冷却、安静と休養の指示、などと言ったごく一般的な手順を行い症状の緩和を待つ、そして慢性的な痛みを訴える患者さんに対しては、牽引や低周波治療器などの理学療法を行い、筋肉強化のための運動療法やストレッチを指示し、ゆっくりと時間をかけて治癒するのを待っているのが現状です。
しかしながらこれらの手順の手順の全ては、“症状がどの様な体の異常により引き起こされているのか、そしてそれをどのように元に戻すのか”と言う根本的問題には到達していません。
急性腰痛の一部の患者さんは、局所性麻酔や抗炎症剤の注射から利益を得ますが、麻酔性の薬物が痛みを感じなくさせ、或いは抗炎症剤が炎症を減少させたとしても、体に生じていた異常は運良く自然に減少されただけにすぎず、それ自体が治癒を齎したとは言い切れません。
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【他の民間療法では】 |
他の手技療法では、腰痛は背骨や骨盤の“ズレ”によって起こる症状と言われています。
例え人体を一つのユニットとして考えたとしても、結局それは体のバランスを取り、矯正により真っ直ぐにすると言うことであり、原因の解決は、その体自体の自然治癒能力に委ねられます。これが他の手技療法で“矯正すると自然治癒能力が向上される”と言われてている理由ではないでしょうか。
しかしある一部の患者さんは、背骨や骨盤を“ボキッ”と言わせるような矯正から完璧な効果を得ます。それは原因となる異常が、骨を接続する靭帯などの組織が骨に接続する部分に存在していた場合にのみ利益があります。したがってそれ以外の患者さんにはあまり良い結果は望めません。そのような患者さんは、温熱や冷却、テーピングによる補強を施され「症状が激しい間は扱わない方が良い」と言われたと言う話をよく聞きます。しかし料金はしっかりと請求されています。
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【FDMでは】 |
フェイシャルディストーションモデルでは、急性、慢性を問わず、腰痛症は、その症状の根源が体の”正常ではなくなった”部分にあると考慮します。したがってレントゲン写真や患者さんの後姿で観察される“体の歪み”は、その損傷の原因と言うよりはむしろ二次的な、単に痛みを回避する姿勢であると考えます。あくまで重要なことは、根底に存在する原因を判断し、そしてそれを元に戻すことです。
腰痛症の原因となる”異常”の種類には、相当量のタイプが存在し、また、一人の患者さんに複数のタイプが同時に存在することが多く、したがって患者さんの腰痛に対する感覚は複雑になり、その結果“単に腰が痛い”と言う表現になります。現代社会では、腰痛症に悩まされる患者さんの数は決して少なくありません。フェイシャルディストーションモデルは、それらの患者さんの”異常となった部分”を分類し、対応する方法で矯正することにより元に戻すようデザインされた独自の方法です。
施術前 |
施術後 |
この写真はFDMによる矯正の直前と直後の写真です。
フェイシャルディストーションモデルの矯正のタイプに関節を矯正する矯正がないと言う訳ではありません、むしろそれは重要な一部を占めています。しかしながらここでは、腰痛症の原因が骨盤や背骨の歪みからのみ発生するのではないことを証明するためそれ以外の症例を紹介しています。
この患者さんは一月前に家具を動かそうとして腰を痛めました。以来、腰を真直ぐに伸ばすことが出来ず、いつも前屈みになって歩いていました。左側の写真は、この患者さんが私のオフィスに訪れる直前(約10分前)に撮ったものです。FDM鑑別により分類されたこの患者さんの腰痛の原因は、臀部の筋肉の中に存在していました。右側の写真は、その対応する方法により矯正された直後(約10分後)に撮影されたものです。この患者さんがオフィスから帰るとき、痛みは存在しておらず、したがって外見からは分からないほど真直ぐに歩いていました。右側の写真が100パーセント真直ぐになっている訳ではありませんが、その違いは明確です。恐らく側面から撮影したものが存在すればより明確であったと思います。
この様に、腰痛症は単に腰の痛みを腰痛症として捕えるのではなくその損傷に存在する解剖学的変化を正確に判断し、そして適切な方法で還元させることが大切です。
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