【弾発股とは?】 |
特に女性に発症する、股関節周囲の段発現象(動かすたびに音がする)をいいます。内側性(内側)と外側性(外側)の二種類があり、外側性が一般的です。お尻の外側の大腿骨の出っ張った部分が歩くたびに痛み、足を引きずるように歩きます。
内側性では、鼠径部に痛みが生じ、体を反らす動作や足を上げる動作で痛みます。段発現象が無いケースも含め、弾発股になる人は多いようです。
原因ははっきりとしていませんが、外側性では踵の高い靴、内側性では出産後などに発症する傾向にあるようです。
一般的な治療法は、基本的に保存療法を選択します。要するに治るまで待つしかないと言うことですね。 |
【股関節の痛み】 |
全ての運動種目で、股関節の痛みは非常に高い頻度で遭遇するスポーツ障害の一つです。その原因は、実際に股関節を捻ってしまったものよりも自然と、徐々に痛みが増してくる、何故傷めたのか記憶に無い、曖昧な怪我が多いようです。
何れの場合でも、症状を訴える部位は殆ど同じです。大腿部前面の足の付け根、或いは鼠径部に集中し、膝を上げることが出来なくなります。
弾発股同様、一般的な処置は保存療法と言うことになります。しかし温熱や冷却、湿布などは置かないにくい部位ですので、単に運動を休止させじっと待つ以外に方法はありません。 |
【他の民間療法では】 |
他のいかなる民間療法でも、弾発股やスポーツによる股関節の痛みに対する特別な処置は見当たりません。骨折や脱臼のように整復を必要としませんし、骨盤を無理やり捻っても痛みが消失することはありません。結局当たらず触らずの保存療法により、自然に治るのを待つことになります。一般的な、テーピング、ストレッチ、温熱など、誰もが知っている普通の処置に移行します。
「『走り方が悪いから』と言われた」と言う患者さんが多くいます。しかしそれは大きな間違いです。人間が二足歩行を始めて長い年月がたちます。自然に抵抗なく歩き、走ることが先天的に持っている能力です。もし仮に走り方が悪いとするなら、右股関節が痛い患者さんは右側が走り方が悪く、左側は走り方が上手と言うことになります。これは想像することさえ難しいことです。 |
【FDMでは 弾発股】 |
歩行の際、腸脛靭帯(太ももの外側にある長い靭帯)が、大転子上(お尻の外側にある出っ張り)を前後しています。弾発股は、この腸脛靭帯が大転子に擦れるために発生するとされています。したがってハイヒールを履き踵を一直線上に踏み出して歩く女性特有の歩き方は、その擦れを強調し症状を誘発します。
しかし全ての人が弾発股を発症させるわけではありません。フェイシャルディストーションモデルでは、弾発股の原因は、腸脛靭帯を含む大腿外側の筋肉や靭帯(内側性では内側の組織)が、何らかの原因により正常ではなくなり、そのため緊張、短縮し、『擦れ』を発生させることにあると考えます。したがってその施術の目的は、短縮した太もも外側の組織を正常に戻し、『擦れ』をなくすことにあります。
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【FDMでは 股関節の痛み】 |
フェイシャルディストーションモデルでは、スポーツ、或いは日常生活で生じた股関節の痛みの原因は、その周囲の組織(筋肉、靭帯、肩、関節など)が本来ある状態ではなくなったことにあるト考えます。したがってそのアプローチは、正常ではなくなった組織を直接的施術により元に戻すことに集中します。したがって施術による痛みや後の痣などは免れませんが、その結果は従来の保存療法とは比較にならないほど明らかに現れます。
痛みを発生させる正常ではなくなった体の一部を、第三者の手技により本来の形に戻すためには、それなりの力、技術、そして痛みを伴います。しかしいつ治るとも分からない、常に付きまとう痛みから解放されるには、一時的な痛みは些細なものに過ぎません。
フェイシャルディストーションモデルは、この様な痛みの根源を(整形外科的介入を必要とする疾患を除く)正常化させる唯一の方法です。 |
【どのくらいで治るのですか?】 |
弾発股
もし段発現象を発生させる組織が、完全に線維化(硬くなり元に戻らない)してしまったなら、腸脛靭帯の切離、切除、延長などの手術が必要です。しかしそのような状態まで歩き続ける人は稀だと思います。
一般的症状のケースであるなら、3〜4回の施術で正常な日常生活を回復することが可能です。
股関節の痛み
スポーツ障害などで発生する股関節周囲の痛み、特に鼠径部や大腿前面に足の付け根の痛みでは、FDMの施術に非常に良く反応します。恐らく、初回の施術で明らかな痛みの減少を実感し、3〜4回の施術で全て解消できるでしょう。 |
【症例集】 |
【症例2】 14歳 男性 股関節捻挫
中学校で陸上部に所属するSAさんは、学校の体育祭での短距離競走に出場し、ゴール直前に後続ランナーを確認しようと振り向いたときに左股関節を捻挫しました。その日の夜にSAさんがオフィスに訪れたとき、彼は激しい痛みのため左足を地面に付くことが出来ず、母親の肩を借りて歩いていました。
SAさんの症状は、股関節、大腿骨大転子の前面、側面、そして後面の深部に存在し、股関節を屈曲することすら出来ない状態でした。股関節と言う大きな関節の周囲に生じた損傷、そしてかなり深部から発生する症状から、SAさんの矯正には相当量の影響力が必要とされることが想像されました。SAさんの損傷は、股関節周囲の組織の異常の組織タイプに分類され、適応する矯正法により一つずつ還元されました。
初回の矯正終了後、SAさんは軽く走ることが出来るほどに回復しましたが、症状は完全には取り除くことは出来ませんでした。しかし二日後に行われた2回目のオフィスセッションでは、SAさんはほぼ完全に症状を消失させ、90パーセントの力で走ることができ、3回のオフィスセッション、五日間で完全に治癒しました。
その後SAさんの股関節に症状は再発していません。
【症例1】 24歳 女性 股関節内側の痛み
出産後間もないSさんは、徐々に鼠径部と太ももの内側の痛みを感じ始め、次第に悪化し、ついには立ち上がることすら出来なくなりました。二時間半の道のりを経て当院に訪れたとき、Sさんは両脇を家族に抱えられ、右足を床に付くことが出来ず、腰をかがめた状態でした。
このケースでは、出産後より始まった症状と、下腹部から鼠径部、大腿内側に走る痛みの状態から、内側性の弾発股を発生させる筋肉等の異常、短縮が原因であることは明らかでした。
施術にはかなりの痛みを伴いましたが、約10分後、Sさんはまったく痛みを感じなくなり、正常な動作を回復させました。
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