【現代医療では】 |
整形外科では、40歳を過ぎた人たちが肩の痛みを訴えると、よほど重大な問題がある場合を除き、『五十肩』と言う名前を付けられます。それらに対する治療は、急性期の局所の安静や鎮痛剤、皮ステロイド製抗炎症薬、ステロイドの注射などで症状を軽減させ、理学的処置(温熱や電気治療)で回復を観察します。
しかしながら痛みが直ぐに治まることはあまり無いようです。結局、不自由な生活を強いられたまま、電気治療や温熱などで、長期の通院を余儀なくされます。
肩の痛みや動きの制限では、生命を危険にさらすことはありませんし、『時間が経てば治る』ことから、あまり重要視されていないようです。
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【他の民間療法では】 |
殆どの全ての手技療法には、痛みがある状態での肩関節に対する、直接的矯正法はありません。また関節を矯正したとしても、その損傷が関節だけに生じているとは限らないので成功しません。
一部の手技療法では、肩関節周囲の筋肉を弛緩させようと試みますが、症状の即時の軽減は少なく、回数を重ねて治癒したのか、或いは単に自然と治癒に向ったのかははっきりしていません。
肩の損傷を的確に矯正するためには、その損傷がどの部分でどの様に発生しているのかを認識するべきですが、どうしても体の歪みを重視したり、自然治癒能力を高める祈祷に集中しているようです。
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【フェイシャルディストーションモデルでは】 |
フェイシャルディストーションモデル(FDM)では、五十肩とは、肩関節周囲の筋肉や靭帯、関節を形成する組織に生じた、損傷の集合体、すなわち『小さな怪我の集まり』と考えます。肩周囲の筋肉などが、加齢や弱化などの原因により、正常な形から異常な形になり、正常な動作の妨げと痛みの原因となります。
もしそれらの原因を元通りの形に戻すことが出来たなら、制限された動作は回復し、痛みも軽減、消失します。FDMの矯正の目的は、『異常を正常に』することにあります。したがってその方法はある程度の痛みを伴いますが、直接触れることでのみ『元に戻す』ことが可能です。
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【施術回数の目安】 |
ここでは、五十肩の施術に関する平均的な経過と施術回数を紹介します。
☆半年から1年間、症状が続いている五十肩で、以下のような症状がある場合:
・肘を伸ばした状態で横から手を上げようとしたときに肩の高さまで上がらない
・頭の後ろに手が届かない
・ズボンの後ポケットに手が届かない
・肩の痛みで夜中に何度も目が覚める
初回の施術は特に痛みを伴いますが、テニス肘は頭の上まで上がるようになり、串で髪の毛を融かすような動作が可能となります。また初日の夜は痛みがます場合もありますが、それ以降は夜中の疼きは軽減し、一度か二度ほど目が覚める程度に治まります。
二度目の施術では、腰の辺りまで手を回すことが出来るようになり、夜間痛は消失するでしょう。
3〜5回の施術では、高い所の物が取れるようになり、背中の真ん中くらいまで手を回すこと下できるようになります。
完全な動作を回復するには、更に2〜3回の施術が必要ですが、日常生活には殆ど支障なくなっていますので、それ以上のご来院は任意としています。
あくまで平均的な一例ですが、参考にして下さい。
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【症例5 78歳 女性 急性の肩の痛み】
Iさんは、前日にタオルを絞ったときに左肩に激痛を感じました。オフィスを訪れたときIさんは、左腕を動かすことも出来ず、一人で服を着ることも出来ませんでした。
Iさんの損傷は、筋膜組織の歪曲タイプに識別され、対応する矯正法により還元されました。約3分後、筋膜組織の歪曲を還元されたIさんには全く症状は無く、両手を同じ様に挙げることが出来、服を自分で着ることが出来る様になりました。
二日後に再度矯正を行い、全ての矯正を終了しました。
数ヵ月後の確認で、Iさんの症状の再発が無かったことを確認しました。
【症例4 34歳 女性 肩の痛み】
Yさんは、数年前に急に右肩が痛みだし動かすことが出来なくなったそうですが、知人の紹介で他の手技療法を行っている所に行き、肩の関節を矯正されなんとか日常生活を送れるようになっていました。
しかしYさんの右肩は、手を挙げる度に引っ掛かったような痛みを残存させたまま、数年間治癒することはありませんでした。Yさんには、損傷を起こすような動作の記憶はありませんが、関節を引っ張るような矯正からある程度の利益を得たYさんの経験から、関節周囲の筋膜組織を牽引させた状態で歪曲させた損傷と、残存する肩から上腕への引っ張るような痛みから、上腕部の筋膜組織を歪曲させたと想像することが出来ました。
肩を牽引した矯正は運良くその関節周囲の筋膜組織の歪曲を還元させましたが、上腕に存在した歪曲には利益を齎すことは出来ませんでした。Yさんの上腕に存在した損傷は、筋膜組織の歪曲タイプに識別され、対応する矯正法により矯正されました。その直後から、Yさんの症状は消失し、したがって損傷は還元されました。
Yさんは、他の疾患を矯正するため、更に3階ほどオフィスを訪れましたが、肩の症状は再発することはありませんでした。
【症例3 55歳 男性 肩の痛み】
Sさんは、ゴルフの練習中に左肩から背中に痛みを発生させました。以来、症状は急速に悪化し、一ヶ月後にオフィスを訪れた時には、左肩を動かすことすら困難になっていました。
Sさんの症状は、左側の首、背中、肩、上腕、そして肘に至るまで広がり、痛みのため睡眠を妨げられ、安定剤と痛み止めを服用していましたが、症状は軽減することはありませんでした。Sさんの左肩には、全てのタイプの筋膜組織の歪曲が存在しており、したがって全ての歪曲タイプを矯正する必要がありました。
その矯正は、Sさんの頑固な損傷からかなり攻撃的なものとなりました。特に関節を固着させる筋膜組織の歪曲タイプに対する矯正は、相当量の苦痛を伴いました。継続する十数回の治療の後、Sさんは、日常生活、そしてゴルフを苦痛なしに行えるほどに回復しました。
【症例2 38歳 男性 肩の痛み】
建設業を営むKさんは、不自然な姿勢を強いられる現場でハンマーを振り右肩を痛めました。来院時のKさんの症状は、肩の前面に激しく現われており、腕を肩の高さまで上げることができず、無理に腕を上げると、反対側の手で支えなければ下ろすことが出来ませんでした。
数年前に肘を痛め、当院での3回の施術で完治していたKさんは、矯正には痛みが伴うことを知っていましたが、今回のこの肩の損傷が、放置していても自然治癒するとは思えなかったため、直ちに来院したそうです。
Kさんの右肩の損傷は、FDM鑑別診断に従い分類され、適応するFDMテクニックにより矯正されました。最初のセッションでKさんの右肩の可動制限は全て正常に還元され、2回目のセッションでは、6kgのダンベルを持っての可動制限と症状を消失させました。
3日後の来院までの間Kさんは、矯正による副作用的痛みを感じていましたが、3回目のオフィス訪問ではその痛みも消失し、微妙に残存する症状を取り除き、Kさんの全ての矯正過程を終了しました。
【症例1 69歳 男性 肩の痛み】
一ヶ月前より両肩、特に右肩に痛みを感じ始めたFさんは、整形外科での治療(抗炎症薬の注射、温熱や低周波などの理学療法)に全く症状の軽減が見られず、ままならぬ日常生活に耐えかね当院を訪れました。
来院時のFさんの症状は、左肩には若干の痛みと違和感を訴えるだけでしたが、右肩の症状は深刻で、正常な可動を完全に失っていました。右手を上げるように指示すると、Fさんは肘を体幹から離すことすら出来ず、肘関節を屈曲させ自分の頬を触ることすら困難な状態でした。そのためFさんは、「服を着替えるの30分以上かかった」と嘆いていました。
Fさんの右肩の損傷は、思い当たる発生要因はありませんでしたが、そのボディランゲージと痛みの説明からFDM鑑別診断により分類され、適応するFDMテクニックにより矯正されました。
最初のセッションでFさんの右肩はほぼ正常な可動域の回復と症状の緩和を見せましたが、それは持続性がなく、次回の来院時には完全に再発していました。Fさんの4回目の来院では、不幸にも左肩の症状が悪化し、両肩共に稼動域を失い隣人に服を着せてもらい来院しました。Fさんの両肩の損傷の矯正に対する反応の鈍さは、その損傷がより複雑で根強いものであることを意味するので、より攻撃的な矯正が必要となりました。
「リューマチの可能性があので治るには相当に時間がかかる」と医師に言われていたFさんでしたが、19日間、計9回の積極的なセッションでその可動域を完全に回復させ、症状を消失させました。
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