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【症例1】 52歳 女性 膝、両肩、踵、アキレス腱の痛み |
学生時代からバレーボールを続けているYHさんは、多くの損傷を抱えていました。
膝の痛み
三十年前に左膝を傷めて以来、YHさんの症状は消えることなく常に存在し、バレーボールの練習の後には必ず腫れ、激しいときには水が溜まっていました。最初にオフィスを訪れたYHさんの左膝は明らかに右膝よりも大きく腫れており、「これでもいつもよりは調子がいい」とは言うものの、足を引きずり歩き、しゃがむ動作で激しい痛みを発生させ、何かに掴らないと立ち上がれない状態でした。
両肩の痛み
もともと左利きのHYさんは、十数年前に左肩を傷め、改善する兆しのない痛みから右腕でプレーするようになり、そして右肩も同様に損傷し、永続する症状を抱えていました。日常の生活では殆ど症状が現われることはありませんでしだが、ボールを投げる、或いはアタックを打つなどの動作は、いくら休養を取った後にでも消えることはありませんでした。
踵とアキレス腱の痛み
数年前から徐々に痛み始めたYHさんのアキレス腱もまた、軽減することなく症状を発生させ、ついには踵の骨に肉眼で見てもはっきりと認識できるほどの隆起を形成させました。その隆起は触れるだけで極端に痛み、常にテーピング等で保護しシューズを履いていました。YHさんの整形外科医は、レントゲン写真に写った骨の隆起を見て「手術で削っても症状は変わらない、日常生活が出来るのならこのまま」と告げたそうです。
このような理由からYHさんは、バレーボールからソフトバレーボールへ、アタッカーからセッターへと転向し、それでもなおバレーを続けていました。
経過
四ヶ所、三種類の損傷を持つYHさんへの施術は、膝の損傷が日常生活に影響を及ぼしていることから、最初に着手されました。YHさんの膝の損傷の原因は、三十年も前の出来事であるため思い出すことが出来ず、したがってYHさんの痛みの説明とそれを表現する体の動作、体の動作の制限などによって分析され矯正されました。
初回の矯正直後、YHさんの症状は矯正そのものの痛みから明確には認識されませんでしたが、二回目に当院を訪れて時には、膝の腫れも殆どなく、症状も半減していました。数回目の来院から右肩、続いて左肩と矯正され、七回目の訪問では、バレーボールの練習にも全く症状が出ないほどに回復していました。最後にアキレス腱と踵の骨に出来た骨の隆起の痛みに対する矯正が行われました。矯正後、YHさんの踵とアキレス腱の痛みはなく消失し、骨の隆起の大きさも明らかに縮小していました。
多くの損傷を抱えていたYHさんの矯正は、十二回、約二ヶ月間で終了しました。その後YHさんは、ソフトバレーボールではなく通常のバレーボールに復帰しました。
以後、自己管理のためオフィスを訪れたYHさんは、全く支障なく生活を続け、踵の骨の隆起も完全に消失していました。
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管理者 田中啓介,FDM.O. (たなかけいすけ) |
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